2012.11.24 土曜日 島で生きる仁義
せっかくの連休なのに、今朝も雨が残っています。昨日の釣果は、皆さん雨で体力を消耗した割には情けないものだった(ショボッ!)とか。
30cm前後のメジナがやっとと言う感じだったみたいです。雨で海水の塩分濃度が下がれば、魚は下へ下へと潜るのでしょうか?
7年位前に、ポーランド南部のクラクフにある塩採掘跡へ行ったことがありました。
地の底へ簡素で頑丈な工事用エレベーターで降りると、そこには人夫のための塩で作った教会・祭壇・食堂・仮眠室など、ものすごい広さの街?がありました。地底に降りる過程で、私はすでに喉の渇きを覚えましたが、一時間以上に亘って案内を受けたのですが、顔や体中の皮膚から水分が吸い取られていくみたいで、精神的にきつくなっていくのがわかりました。
なんせ、床も塩、壁も塩、椅子も塩で、説明がポーランド語ときたから、チンプンカンプンだし、地上に上がるエレベーターの順番待ちの長い(それだけ地中深いということ)のには、あせりを感じてしまったくらいでした。(笑)
人間は、しょっぱい物を食べたら、野菜を食べて血液から塩分を排出せよみたいな事を言いますが、体まるごと塩の家に入ると、人間ひものみたいになってしまうんじゃないかと、その時思いました。(変な体験!)
魚の気持ちもわかったような???? だから、昨日、釣れなかったのはそのせいですよ!雨で海水の塩分濃度が下がったのが理由?です!(これで、良しとしましょう)
昨日は、お客さんから「コインランドリーはありませんか?」と2組の方々に聞かれました。ようは、乾燥機がないのか?ということです。
あれだけの雨に朝からうたれると、よほどゴアテックスの超高い物でないと、浸透してきてしまうんですよね。
「コンビニエンスストアもない島だから、ないです」と答えるんですが、お客さんは「皆、普段はどうしてるんだろう?」とけげんそうな顔をします。
私は普通に「天日干しです」と返します。洗濯したら、太陽があるから天日干しが当たり前。父親の介護上、必要だったから乾燥機は買いましたが、太陽がある限りは外に干し、それ以外は室内干しです。
一晩、お客さんの疑問の意味を考えました。頭の中が??だらけに。そこで思いました。すでに都会の生活は洗濯乾燥機が当たり前なんだと!
アメリカ社会の昔の富の象徴がドラマ「名犬ラッシー」「奥様は魔女」の中の大型冷蔵庫や大型洗濯乾燥機だったように、都会の生活は乾燥機付がふつーなんだと。ドラマで見るアメリカ社会の貧困層は、庭の木にロープを張って天日干ししてたっけ!・・・・・アジアなんか今でもそれがふつーだけども。
アメリカの衣服は、以前はイスラエル産の洋服が安い洋服の象徴だったけど(今は、中国産)、何でもごちゃ混ぜにして洗って、乾燥してもOKの衣類ばかりだったんですよね。繊維に対するこだわりは、ヨーロッパ人や日本人は持っていますよね。
オーストラリアのシドニーなんか、町並みがシックで統一感があり自販機もありません。日本のように家の塀もありません。細かい条例によって、洗濯物は裏庭に干す(丸い回転式物干し竿)こと、塀は○○cm以下(たしか40~50cm?)、立木の高さや屋根・壁の色も何色か選択の幅があったあったみたいですが決められていました。だから、アジアみたいに、表に洗濯物が見えないんです。アメリカの事情とは異なりますね。
・・・・・コインランドリーから話がかなり飛びましたが、まあ、大島の需要と供給のバランスからしてないと思います。布団洗い機のようなランドリ-が南部の方にあるようなことは聞いたことがありましたが・・・・・。今は、老人向けに社会福祉協議会の布団洗い車が回っています。
早朝の船のお客さんが、島の事情を知らずに、何か食べ物はないかと、腹ペコで動けないと店にやってきます(笑)
これも需要の少なさから、お客さんには便が悪くて申し訳ないですが、5時から開いている店はありません。うちは7時から開けていますが、カップヌードルの自販機でも置こうかとも考えましたが、他業種の方に悪いと思いやめました。
もともと、店を継ぐ時も、「ナンバー1の店にはする」でも島で『オンリーワンの店』にしてはならないと自分で決めていました。だから、島のお客さんが、どこそこが高いの安いのと言っても、東京の釣り具店の価格は足で調べましたが、島の同業店は覗いた事もありません。それが、島で生きる仁義だと考えるからです。
昨日のお客さんの質問で多かったのが「元町桟橋のタナはどのくらいですか?」という事ですが、普通、竿一本です。この夏の水温がかなり高いと時に常連さんは、底ぎりぎりにして40オーバーのメジナを2匹あげていました。岡田桟橋では竿2本と言う方もいます。
手っ取り早いのは、釣れている人のウキ止め糸の位置をリスペクトを込めてちら見することです(笑)
さあ、午後には雨もあがります。寒さに萎えずに竿をおもいっきり投げましょう!