春夏秋冬特別企画ロングインタビュー
島の釣り人に聞く!

濱口一人さん
-PartⅥ-


---プロフィール---
濱口一人(はまぐちかずひと)さん

1957年大島生まれ。18歳頃から本格的に大島での磯釣を始める。イシダイ釣りを皮切りに、様々なターゲットに目標を定めクリアを果たしていく。磯からのルアー釣りで61㎏のクロマグロを釣り上げたことで知らないものはいないほどの大島屈指の釣り人である。
(株)濱口建設社長。現在の目標は船釣りで300㎏超のマグロを釣り上げること。

船での釣りについて

――船では(シマアジが)釣れているってことですね。濱口さんは今、船ではとにかくマグロ一本?
マグロ一本!

――(笑)

船からはとにかく300㎏のマグロ狙って。それでも時々釣れないときは、マダイを釣るけどね。赤岩のところへ行って。マダイは確実に釣れるからね。

――船からのマグロ釣りっていうのはエサ釣りですか?

エサ釣り。エサっていうか、引き縄ね。

――引き縄っていうのは、漁師さんがやっている?

あれとは違って、ガイド付きの竿を使って電動リールで流すっていう感じ。

――流すのは何を?

サンマ。それかイカ。

――トローリングでカジキマグロを狙うようなイメージですね?!

うん。長い竿でね。リールを使わないと、デカいのは獲れないからね。リールにはPEの30号を1000m以上巻いてあるからね。

――マグロって、潜るんですか?

潜る。下へ行く。

――やっぱり、潜るんだ。

水深が100mぐらいだったら、100mぐらいまで行く。デカけりゃ、デカいだけ。行かなきゃ、マグロじゃないもん。横に走るのは、サメかシイラか。サワラとか。あと、キハダなんかも横へ行くけど。

――マグロ狙いで行っても、そうすると外道って豊富ですか?

うん。ヒラマサが喰って来たり、カンパチが喰って来たり。サワラが喰って来たり。

――サワラもいるんだ?!

サワラもいる。10㎏とか20㎏とか。でも、良いところに掛かんないと、獲れない。

――そうですよね、切られちゃいますよね。

俺が最高20㎏。でも引くよぉー。20㎏でも。

――サワラがいたっていうのは驚きでした。

*丸市コメント*
サワラというと、小笠原での釣りを思い出してしまって、大島の魚というイメージを持っていなかったので。小笠原では、船からのジギングで何度もアシストフックのケプラー部分を切られたので、その記憶が鮮明。それこそ、中りがあった瞬間に手ごたえが消えるという感じで、信じられないほど見事な切れ味でケプラーを切っていく。こうした体験から、サワラ=小笠原というイメージが出来上がっていたのかもしれない。


今からの時期だね。

――サメが喰って来ちゃうっていうことも、もちろんあるんですか?

サメはある。うん。


――季節によっては、シイラなんかも喰って来ちゃう感じなんですね。

うん。だから、沖に出れば何かを釣って来るっていう感じだよね。

――マダイはどうやって釣るんですか?

マダイは普通と一緒。オキアミ付けてね。だけど、船でマダイ釣りをすると陸(おか)からと違って面白くないよね。船だと魚探でかけ上がりを探して、二、三度コマセを流していけば、必ずタイが喰ってくるもん。

――船で釣りをしていて、良い場所っていうのはどの辺りなんですか?

俺は野増(のまし)だから、だいたい千波周りか赤岩の辺りとか。磯釣りみたいに大島中どこへでも行くっていう感じじゃないよね。引き縄は別だけどね。

――野増の漁港に船を置いてあるんですね?

そうだね。

――それでは、その他にお話をしておきたいっていうことは何かありますか?

(笑)

――今は船で300㎏のマグロを狙うっていうのが目標っていうことですか?(笑)

うん。現実にはね八丈島で250㎏超えのマグロが上がっているからね。俺が思ったのは、陸(おか)で61㎏のマグロを釣ったから船だと300㎏のマグロを釣るのが当たり前?!船だと、追っかけて行けるからね。

――追っかけても行けるし、水深もあるし、全然違うでしょうね。

自分としては、陸の61㎏は船の300㎏と同じぐらいの価値があるって思っているからさ。

――私もそう思います。陸ッぱりでこれを釣ったっていうのは、船だったら相当なものでしょうね。やっぱり、追っかけていけるっていうのは相当有利でしょうね。

ウソみたいだよ、100㎏ぐらいのマグロが。電動リールをオートでスイッチを入れて、あとは竿の曲がっている方向を確かめて追って、真下に来たら船を止めて電動リールがウィーン、ウィーンやって上がって来るのを待っているだけだもん。(笑)

――テレビで観たりしても、釣りっていうより別なものを観ている感じがする時がありますもんね。

だから、自分としては何とか300㎏を釣りたいなって思っている。まぁ、そのうち報告しますよ。(笑)やったぞーって!(笑)

――(笑)

目標、300㎏!とにかく陸からはもう釣りができないんで、腰がもうダメなんで。仕事でそもそも壊しているから。

*丸市コメント*
濱口さんなら、本当に300㎏のマグロを釣っちゃいそうで、とにかく笑うしかないっていう感じでした。300㎏のマグロを釣った濱口さんの武勇伝を聞くことができるのも、本当にそう遠くない気がします。楽しみですね。

メジナの近況?!

メジナ釣りに東京からお客さんが来るけど、メジナはいるよ。ものすごい数いる、船から見ていると。湧きグレなんていったら、それこそ何百、何千なんてもんじゃないから。ものすごい量でいるから。何万、何十万っていう世界じゃないかな?!

――それはどのくらい沖にいるんですか?湧きグレ。

湧きグレっていうのは、陸のすぐ沖にワーッと一面にいる。鵜の根から千波まで何kmある?5kmじゃきかないと思うけど、それがズーッとメジナとイサキだから。一面に、船で走っていると延々と。

――それだけ、浮いているんですね?

うん、浮いているし、下にもいるし。

――下にもいるんだ。

下のは、這いつくばるからイサキってわかるんだけど。

――それは、いわゆるオナガ?

オナガ、オナガ。

――オナガですよね。それは大体どのぐらいの大きさのやつですか?

そんな大きいのは見えないけど、1㎏~1㎏半ぐらいの。小っちゃいのももちろんいるんだけど。だからねぇ、数が減っただなんていうのは当てはまらないと思うよ。

――じゃあ、なんで陸から釣れなくなっちゃったんでしょうね?

だけど、なんか技術があるんじゃないかな、陸から釣る。やってりゃ、やっぱり釣れるんじゃないかな。確かに今は、黒潮が離れちゃって潮目が変わっているから、赤岩でも変わっているし。エサを喰っている場所が違っているっていうのもあるかも。

――私が不思議なのは、不思議っていうのか、実はオナガを釣っていて白子を噴いたり、卵を持ったりした魚を見たことがないっていうことがあるんですよ。

ほぉーン!?

――クチブトは時期が来れば当たり前のように釣り上げた瞬間に白子を噴いたり、卵を持っていたりするんですけど、オナガはそれが一度もないんですよね。いつ産卵しているんですかね?

今(五月)頃。すごいよ、パンパンになって。

――やっぱり今頃なんですか。どこで産卵しているんですかね?結局、沖なんですかね?

沖だと思う。何でかって言うとね、海が真っ白くなる時があるの、魚の中がね。夜にもそういうことがあるのかもしれないけど。そういうことがあるのは、鵜の根と千波の地周りと、第二砂の浜と、あと赤岩。今挙げた4か所だと俺が良く見るのは千波と赤岩。

――どのぐらい沖で見るんですか?

陸から20~30mぐらい。

――エッ!そんな近くで見えるんですか?!

一面、真っ白。この間なんか、赤岩の波浮側の湾があるでしょ?あそこが全部魚だったよ。メジナとイサキで。だから、デカいのが釣れるかどうかっていうのはあるけど、魚がいないなんていう、メジナが、上物がいないなんていうのはあり得ない。

――うちのお客さんで全国でも有名な釣り場に行っている方が、大島が一番釣れるってお話されていたことがありましたからね。だから、腕がないんですかね?(笑)年寄りの話を聞くと、メジナは昔は3㎏、4㎏は当たり前で、選んで釣っていたとか聞きますけどね。私なんかからすると、ササヨのデカいのを釣ると昔はこんなメジナがいたんだろうなってある程度は納得するんですけど。私が大島に来てからはやっぱり50㎝っていう壁があって、それを超えたっていう話は滅多に聞きませんからね、磯釣りでは。遠い世界の話なんじゃないかなって思っちゃうんですけどね。

ただ、さっき言ったように、㎏半ぐらいまでだったら数は半端じゃないぐらいいる。値段も良くなってきているからね。タイをやっていると、メジナもバンバン喰ってくるからね。それで卸してみたら、イサキより値段が良いもんね。前はメジナって二束三文だったけど。今は、都内へ行ってもメジナっていうのが居酒屋なんかで流行っているみたい。

――あっ、そうなんですか

結構、需要があるみたい。だから、釣りのお客さんには言ってあげて、磯釣りで釣って減るようなそんな量じゃない。100人や200人が毎日一尾ずつ釣っても、減るような数じゃないよ。ホントに、地の近くにいるんだから。でも、湧きグレはエサを入れても喰わないって言うけどね。

――それは良く言いますよね。僕はメジナがいるって感じたのは船で沖に釣りに行った帰りに、船長さんがメジナはたくさんいるっていうことを僕に教えようとしてくれて、岡田の桟橋のすぐ近くの地から40~50mのところで、メジナ釣りをさせてくれたことがあって、ものすごく釣れたんですよね。それこそ入れ喰い状態で、しかもデカいんですよ。こんなに釣れるんだって、衝撃でしたけどね。

タイ釣りをやるとする。磯なら2号か3号ぐらいのハリスでしょ?あれだよ、メジナが10号のハリスでも喰ってくるんだから、平気でさぁ。(笑)太地の15号、16号のハリに喰ってくるんだから。信じらんないよね、磯からやっているとね。磯からそんなのでやったら、まず喰わないでしょ?!

――何でですかね?!そこが不思議ですよね。
それじゃあ、今ぐらいが産卵の時期っていうことなんですね。

今ぐらいが一番の産卵の時期だと思う。今、もうすごいよ、浮いちゃって。陸(おか)から見える時もあるよ。

――僕も、船釣りに行ったときに何度か見たことがありますけどね、湧きグレ。あれは、産卵のためなんでしょうかね?

それもあるだろうけど、それ以外にも潮の溜まりみたいなところでプランクトンでも喰っているんだかな。そんな毎日産卵しているわけじゃないだろうし。

――そうですよね。(笑)でも、ホーントにのんびりしていますよね。

お客さんには、魚がいないっていうのは絶対ウソだから。デカいのはどうだか、どういう理由だかね?水温の問題なのか何なのかね?

――大島はエサが豊富だって言いますけどね。

大島でのお薦めの磯釣りについて


――それでは、大島へ釣りに来るお客さんにお薦めの釣りは?

やっぱり、メジナ釣りかルアー釣りだね。イシダイ釣りっていうのはねぇー、今の人にはねぇー、釣れなくても竿を出すっていうロマンがないんじゃないかと思うんだよな。なんか引きがないと、って考えるとメジナ釣りか、ルアーかってなるよね。

――ルアーは、メタルジグじゃなくて、ミノーですか?

ミノーかペンシル。俺はフローティングが好きだから。

――フローティングが好きなんですか。でも、ペンシルっていうとシンキングっていうイメージがありますけど。

ペンシルを使ってトップで喰わせることができれば、かなりのもんだからね。それだけ上達したっていう感じになるから。

――初心者には?

ミノーだね。重さはその時の条件次第。俺は大物狙いだから大きいのを使うけどね。フローティングのやつを。今は色々良いものがメーカーから出ているから。

――トップで喰わせると、喰ってくる瞬間が見えるっていう醍醐味がありますよね。

そう、だけどこの人には喰うけどあの人には喰わないっていうのもあるからさぁー、同じにやっていてもね。それで、ルアーをやるんだったら教えてあげないといけないのは、ルアーをやるには、魚を喰わせるためには自分の忍耐力、体力を含めて自分のそういう態勢を作るっていうことが大事なの。魚を釣るためのフォームやアクションだけじゃないのね。自分がいかに安全にそこで投げていられるかっていうのを考えるっていうのが大事だと思うよ。わかる?言っている意味が。

――わかります。

例えば、立って投げられる人は立っていてもいいけど、それでずーっとやって疲れて、1時間で疲れるのと30分で疲れるのだったら、1時間続けられる態勢を作る。そうしないとただ闇雲にやるっていう感じになって嫌になっちゃうし、ルアー釣りの本当の面白さがわかんないと思うんだよね。だから俺は座って、延々と投げるんだよね。態勢を作る、長時間やれる態勢を作ってからやるっていうのが大事だと思う。ただ行って、ルアーを投げるんじゃなくて。

――そういう態勢を作らずにやると、ちょっと投げただけですぐ釣れないっていう話にもなっちゃいますよね。

なっちゃうし、魚を掛けたときのことを考えてないと、取り込みをするのはどこでやるとか、波が来たらどこに逃げるとか、そういうことを磯へ行ったら常に考えてやっていかないと。ただ喰えばいいやって、やっていると、嫌んなっちゃうじゃん。始め行ってさ、ここで掛けたら、こっちで取り込んで、波がこっちから来ているからこっちに逃げるとか、安全面を考えるのは当たり前だけどさ。で、座ってやった方が長くできるとかさ。座ってやるにもちょっと出っ張りがあって、ケツが当たるだけでもだいぶ楽だからさ。

――私も、磯に行ってメジナをやるときには必ず座ってやれる場所を探しますよ。(笑)

(笑)ルアーだと特に体力を使うから。

――私の場合はただのヘタレなんですけど。(笑)大事なことは、ただルアーを投げるだけが、仕掛けを投入するだけが釣りっていうことじゃなくて、全てを含めて考えることや態勢を作ることも含めて釣りだっていうことですよね。

ルアー釣りのコツについて

――それでは、ルアー釣りをやるコツっていうのは何かあります?
とにかく忍耐。自分がやりやすい態勢を作る。だって、魚がどこにいるのか分かんないでやるわけだからさ。

――魚探があるわけじゃないですからね。

だから、今言ったように、態勢を作ることを考える。あとは、時間。絶対朝が良いし。

――あぁ、朝ね。やっぱり朝マズメが良いですか?

やっぱり、朝マズメが一番だね。朝マズメがダメだと、日中でも出るけど。

――濱口さんはいつも、何時頃に釣りをしていたんですか?先ほど、あのマグロを釣ったのは午前10時か11時って言っていましたけど。

うん、これは休みだったからやっていたんだけど。

――あっ、これはお休みだったんですね、この日は。

だから、そうじゃなければもう薄暗い時、4時っていえばもう明るいでしょ?だから、3時半ぐらいにはもう磯にいるもんね、今ぐらいの時期は。それで、仕事が7時半からだから、6時半には上がって7時にはここに帰って来るっていう感じ。海が静かなら毎日。(笑)

――スゴイなぁー。

濱口さん考案のギャフについて

だから、そこまでやっていると色々なことがわかってくるよね。数も掛ければ、さっきも言ったようにハリから何から色々と考えるようになるし。ギャフだって全然違うよ。見てみる?見たい?あのマグロは獲れなかったけど。

――ハイ、ぜひ。


濱口式ギャフ
ギャフだって、ほら。これで、何百って獲ってきたから。返しがついていて。これが魚の向こう側に行くでしょ、行くとこれでガツンと魚に掛かって獲れる。これも、普通のギャフを使っていて何十回も失敗して。刺さっても、片手で維持できない。5㎏ぐらいならどうってことないけど。デカいやつだと、波の力でギャフが抜けちゃう。でも、これだと一回刺さるとここに柔軟性があるから、ハリスについているハリと同じで刺さったまんまにできるから、道具を置いてやり取りができる。これもここまで来るのに、バラしてバラして、悔しい思いをして、バラしてバラして。

――これも、ご自分で考案して作られたものですか?

自分で作って。

――これも、写真に撮らせてもらっていいですか?

うん。

*丸市コメント*
ギャフまでも自ら考案して、自作してしまう。これも、濱口さんが数えきれないぐらいのバラシの悔しさの中から導き出した、確実に魚を獲るための一つの回答だろう。魚を掛ける針の部分を硬直した竿から、柔軟なロープにすることによってバレ難くしている。
濱口ノットといい、柔道の“柔よく剛を制す!”の言葉が思い出される、柔軟な発想に脱帽する思いだ。

幻?!の資料館について

――そうすると、釣り歴って何年ぐらいっていうことになるんですかね?30年以上?
そうだね。30年、30年以上だね。

――昔釣れたデカいメジナやイシダイの写真とかって、お持ちじゃないですか?

どうかな、うちのオヤジのものは資料館にあげちゃったからな。

――資料館?!どちらの?

うん、元町の。もう、だいぶ前、何十年も前。だから、ないんじゃないかな。

――何の資料館ですか?

ほら、昔、あっ来る前(丸市が島に来る)だ。東海汽船のとこに熊とかが展示してあった資料館があったのは知らないでしょ?

――へぇっ?

熊のはく製とか。

――知らない、知らないです。

知らないでしょ、その時代の話だから。今の観光協会がある場所。そこに資料館があっって、熊のはく製とかが置いてあったんだよ。

――それはもう潰れちゃったんですか?

潰れたっていうか、改装して、そういうのはどこへ行っちゃったんだろう?わかんない。

――熊のはく製って、大島に熊がいたんですか?!

いたの。公園から逃げた熊が野生化しちゃって。

――公園から逃げたやつがいたんですか。

で、鉄砲で撃ったんだけど。それがはく製になって。

――逃げたやつが、頑張って一匹で生きていたんだ。一匹だけじゃ、繁殖もしないですからね。キョンとか、すごいですもんね。

そうだねぇー。

――キョンだけじゃなくて、サルもそうだし。

全部、大島公園だもんね。リスも。

――リスも、電線を渡りまくっていますからね。

*丸市コメント*
湧きグレが数kmに渡って見られるという話も衝撃的だった。考えてみれば、ここ数年船での釣りを私はしていなかった。だから、濱口さんから言われてみて、そういえば湧きグレを私も船釣りをさせてもらっていた時に何度か見たなあーと、思い出すことができた。規模はそれほど大きくはなかったけれど、メジナは居る所にはいるものだと感心した記憶が蘇ってきた。
それにしても、湧きグレは未だに謎の多い行動だ。産卵・捕食の二つが有力な説だが、私が見た湧きグレはいずれでもなく、もっとのんびりとしたものだった。集団で昼寝か日光浴でもしているかのように、それこそ時の流れに身を任せて漂っているように見えた。果たして、湧きグレの本当の意味が何なのか?改名される日は来るのだろうか?
また、オナガの産卵がやはり今ぐらいの春から初夏にかけての時期だということが、はっっきりした。私も、一度くらいこの目で見てみたい。磯でオナガを釣り上げた瞬間に、白子を噴くところを。しかし、それがこれまでなかったということは、クチブトとは産卵行動が違うということなのかもしれない。
いずれにしても、濱口さんが言うように、大きさはともかく確かに数はいるのだろう。そして、それを磯から釣る方法も。それを解明するのが、メジナ釣りを楽しむ者の役目かもしれない。
解明のためのヒントは、やはりコマセにあるのかもしれない。釣れるから、釣り人が多くのコマセを撒く。釣れないから、釣り人が釣りに行くことが減り、コマセも少なくなる。こうした悪循環が起きているのかもしれない。
そう考えると、釣り人の姿勢としてコマセの役割に、魚を寄せる・魚を浮かせるという二つだけでなく、もう一つ加える必要があるのかもしれない。魚を育てる、という役割だ。魚を釣るためだけではなく、同時に育てるためにコマセを撒くという姿勢が大切なのかもしれない。そんなことを考えさせられた話だった。